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【セミナーレポート】ポスト・コロナ時代の企業・広報 インナーブランディングを考える。

「ハルのインナーブランディング研究会」の1回目として開催された本セミナー。「これからの企業活動で他社と差別化を図るには、アートやデザインが重要になってくるのではないか」という考えのもと、”アートと企業”をテーマに講演・トークセッションを行いました。

講師にお招きしたのは、Webマガジン「KAMADO」編集長・柿内奈緒美氏。
「KAMADO」では、現代の表現でもあるアート、時代の表現でもある工芸、民芸、ものづくりを軸にしたコンテンツを発信されています。今回は、アートを活用した企業ブランディングの事例について、ウェブマガジンの取材を通じた事例を含めながらお話しいただきました。

  • KAMADO編集長 柿内氏

●第1部 特別講演「アート視点を取り入れた新しい企業ブランディングのあり方」

まずはじめに、アートがもたらす効果について紹介いただきました。
柿内氏が考える、アートと向き合うことで得られることは…

01. 美意識=美しい表現を見続けることで得られる。

02. 内在化=アートは鏡のように自分自身と向き合うこと。

03. 実践力=アートをつくるアーティストは困難に立ち向かい形にしていく。

04. 問題提起力=アーティストは社会に問いを投げかけて作品を作る。その作品を見ることで問題の内容を知ることができる。

05. 寛容=アートの表現はさまざまで、アーティストの数だけ表現がある。多くの表現を見ることで寛容を養う。

06. 想像力=アートの中にあるコンテクストは、人の想像力を掻き立てる。

07. 共創(共感)力=アートに対して共感し共創することができる。

アートを通して、こんなに多くの力を養うことができるのですね。

この7つの力とインナー・アウターブランディング、企業活動との関係性について、
結びつきを説明していただきました。

アートで得られることは、個人だけでなく企業でも活用できるようです。
とはいえ、いったいどんな取り組みをしたら良いのでしょうか。
アートを取り入れている企業では、アーティストの視点と企業の技術をコラボさせたツールを開発した例や、アートに触れるサークルを通して、社員間のコミュニケーションが活性化した例があるそうです。
アートに触れるサークルは、すぐにでも取り入れられそうですね。柿内氏の「アートには境界線や正解がないからこそ、何を話してもいいと思えて、心理的ハードルがないように感じる。」という言葉が印象的でした。

●第2部 トークセッション「ポスト・コロナ時代の組織の多様性 これからの企業ブランディングについて」

第2部では、柿内氏を囲み、ハルのブランディングディレクター 美吉、コミュニケーションプランナー 千代木でのトークセッションを行いました。その一部をご紹介します。

美吉――最近、雑誌や本でもデザイン経営アート経営というワード見かけます。なぜ企業活動で改めてアートが重要視されてきたのでしょう?

柿内氏――世の中が変化し、1からどんな会社にするのかという新しい軸を考えなければならない時、アート視点を持っている人だと思う。そこで、アーティストの力が必要なのではないでしょうか。

千代木――日本って、0から1を生み出すイノベーティブな部分が弱いと評価されていると思いますが、ビジネスパーソンとアートとの関わり方、海外と日本の違いはあるのでしょうか?

柿内氏――海外で平日に美術館に行くと、先生と生徒がアートの前で話している姿があり、分からないことを受け入れたり、人と自分は違って当たり前という考えが、幼少期の頃からできてると思います。現代アートの解釈に正解不正解はない。何を言ってもいいと思う。おにぎり型のように画一的な教育を受けてきた日本人の殻を壊すのがアートなのかもしれません。

千代木――企業・組織にとって多様性とは、どんな良い影響を及ぼすのか。美吉さんのブランディングディレクターでの仕事で感じるものは?

美吉――最近、ある方の多様性についての話に感銘を受けました。多様性は、パッと思い浮かぶのはダイバーシティや女性の活躍推進。だけど「多様性=受け入れるお皿」とおっしゃっていました。
多様性が「共感し、色々な人や考え方を受け入れる」ということにつながるのであれば、受け入れる土壌づくりが、私たちには必要です。アートは「考え方」であって、「アートの思考」を理解し受け入れる土俵をつくることが多様性につながり、多様性が本来求めている「色々な人が掛け合わさって相乗効果を生み出す」=共創を生み出すのではないでしょうか。

千代木――そうですね。企業は、同質な価値観を持つ人を集めて偏りがち。そこでアート的な視点や思考、多様性があればもっと会社は面白く、強い組織になるのではないかと思います。

チャットでもたくさんご質問をいただきました。一部をご紹介させていただきます。

Q. アートをブランディングに落とし込む時、アートと親和性が高い分野や業界は?

柿内氏――ファッションが多いが、どこの業界も、アーティストとマッチングすればいいと思います。
例えばある食品宅配の会社は、食材と土の関連性から、土で絵を描くアーティストに依頼して会社に飾る絵を描いてもらったり。表現と企業の事業がマッチングすればいいと思いますね。

自社の理念やミッションをアーティストに表現してもらったら、面白そうですね!
新たな視点やイメージが広がりそうです。

今回のセミナーを通して、アートと企業活動、インナー・アウターブランディングを掛け合わせることの可能性を感じられました。柿内氏のアートが好きな気持ちと、誰でもアートに触れられる社会をつくりたいという熱い気持ちが伝わり、とても刺激を受けたセミナーでした。

さて、次回の「ハルのインナーブランディング研究会」は、カルビー・広報部の間瀬さまをお迎えし、「売れる社内報」をテーマに情報交換会をする予定ですので、お知らせをお待ちください!

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