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【セミナーレポート】兼務担当者向け!一石二鳥を狙う企画の作り方

11月25日(木)、「兼務担当者向け!一石二鳥を狙う企画の作り方」というテーマで、第3回インナーブランディング研究会を開催しました。
講師にお招きしたのは、東京センチュリー株式会社 広報IR部の笠原智子氏。インナーコミュニケーションや広告宣伝を担当され、2021年2月には、オウンドメディアを立ち上げられました。BtoB企業、兼務や少人数で広報を担当されている方向けに、少ないリソースでどのように企画・制作し、新しいことに挑戦しているのかなどをご講演いただきました。

<オウンドメディアについて>

東京センチュリーさまのオウンドメディアは、過去およそ10年の間に、事業が拡大し、グループ会社が増えていることから、情報共有の必要性を感じ立ち上げられたそうです。初めの目的は、自社がどういう会社かをグループ内にしっかりと伝えることや情報共有を図ることだったのだとか。
閲覧する人の情報を見極める力が高まっている今、
①PRとは分ける(共感を得てファンをつくる場にする)
②真実を載せる(成功例だけでなく、失敗した経験や課題も共有する)
③日本語英語同時リリース(グローバルを目指す企業の姿勢を見せる)

を主な編集方針にされているというお話も伺いました。

<情報収集や企画について>

「企画が9割」という言葉が印象的でした。セミナーを開催すると、多くの広報担当者がお悩みに上げているのが「社内報の情報収集の仕方や企画の仕方」。どうしても実制作で手いっぱいになり、企画に手が回らなかったりマンネリ化してしまったりといったことがあるようです。
笠原さまからは、社内では「聞き込み」「数値目標」「エンゲージメント調査」「役員や社員の想い」など、さまざまな角度から情報が得られるというお話が。「企画の元ネタはあらゆるところに転がっている!」ということに改めて気付かされました。

また、社員を巻き込むために、東京センチュリーさまではアンケートを活用されているという話もありました。

例えば発行後にアンケートを実施し、記事で取り上げたテーマに関する各人のエピソードや取組み内容を募集。共有したい事例を、続編のインタビューや座談会として企画しているそうです。
日本のエンゲージメント指数が世界に比べてかなり低いと言われている中、「皆さんに参加してもらいつつ、一緒に記事もつくりつつ、会社もつくっていくことができたらいいなと思って取り組んでいます」と笠原さま。
一石二鳥の企画づくりだけでなく、エンゲージメント向上につながるアンケートは、ぜひ活用したいですね。

●第2部 情報交換コーナー

第2部では、事前にお寄せいただいた広報活動についてのお困り事やご質問に対し、笠原さまからご回答いただきました。その中からいくつかご紹介させていただきます。

Q:「SDGsや環境貢献など、日常業務と直接結びつきづらいと思われがちな内容は、社内イントラであまり読まれない…。他社の工夫が知りたい。」
笠原さま
――情報発信は投資みたいなもので、続けることが大事です。1回で浸透させるのは難しいので、担当者に語ってもらったり、役員に登場してもらったり、いろんな角度から言い続けることが大切だと思います。有識者や外部の力を借りるのも手です。グループ会社のSDGsへの取り組みを紹介して、反響があったこともあります。「他社もこのように取り組んでいる」と参考になると思います。

Q:「社内報への反応が薄い…。現場の社員から厳しい意見が出ることもある…。」
笠原さま
――私は、前職で生産管理部門から異動し、社内報担当者になったときから、「いつか自分も取り上げられるかもしれない」と思われるような企画作りを心掛けています。また、担当者として読者に顔が見えるように、顔を覚えてもらうようにしたり、定期的に編集後記やまとめ記事、社内のお知らせなどで、どういう想いを込めて作ったか伝えるようにしています。顔や企画意図が分かると、感想や意見をもらえたり、批判だけでなく、どこに困っているのかを具体的に言ってくれるようになると思います。

色々な人に企画に参加してもらうことも大切です。東京センチュリーでは、キャリア(中途)採用が増えてきたため、4年ほど前から、新入社員だけでなくキャリア採用の社員も紹介する企画を作りました。最初は躊躇される方もいらっしゃいましたが、回を重ねるごとに馴染み、記事を楽しみにしてくれる社員が出てきます。
定期的に新たな企画も作るようにもしています。いろんな企画を作っているうちに、今度はこんな企画はどう?と声を掛けてもらうこともあります。
また、人員構成を把握したうえで、部署・拠点、役職、プロパー社員かキャリア採用かなど、取り上げる情報や登場人物のバランスに気をつけることも重要だと思います。

Q:対外的な発信をリクルートに効果的につなげるには?
笠原さま
――働いているところがイメージしやすい記事を掲載して興味をもってもらったり、人事部には、説明会の待ち時間にサイトにアクセスできるよう、QRコードを画面に表示してもらっています。
また、対外発信となると、できるだけよい印象を持ってもらおうとしてしまうところもあると思いますが、やりすぎるとミスマッチにもつながってしまうと思います。課題や、今後はこうしていきたいという想いも共有することで、「それに関わっていきたい」と志望していただく方もいらっしゃると思います。

今回のセミナーでは、初めて広報担当になられたときに持った「皆がより楽しくやりがいを感じながら働けるようにしたい」という想いをもとに、粘り強く挑戦を続けている笠原さまならではのお話に、とても刺激を受けました。
参加者の方からは、「広報担当の方の生の声を聞けて良かった」「他社も同じ悩みをもっていることを知り、勇気が出た」といったお声もいただきました。


さて、次回のハルのインナーブランディング研究会は、「TOPメッセージを効果的に伝える術(仮)」をテーマに開催予定ですので、お知らせをお待ちください!

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