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コラム

【はるかぜnote】いま話題の「フェムテック」って何?

みなさん、こんにちは。
株式会社ハル 女性マーケティングチーム「はるかぜ」の千代木です。

近年話題になっている「フェムテック」。
それって何?と思っている方も、まだまだ多いのではないでしょうか。

フェムテックとは、「女性=Female」と「技術=Technology」を掛け合わせた造語で、女性が生涯を通じて直面する健康課題(月経、妊娠、出産、更年期障害等)を、様々な技術で解決するデジタルヘルスの中枢を担うビジネス・マーケットのこと。これまで、更年期や生理痛、不妊、デリケートゾーンの問題など、人前でオープンに話せなかったことが、近年ではジェンダー問題への興味関心が高まり、話しやすい空気が醸成されてきたことも、フェムテックの成長に大きく影響しているのではないでしょうか。

今後、フェムテックのトレンドはどうなっていくのか?

先日、健康博覧会(東京ビックサイト)で開催された「女性ヘルスケア市場のニーズ&消費トレンド2022~若年層から高齢層まで、女性生活者のヘルスケア消費を読み解く~(講師:ウーマンズ代表取締役 阿部エリナ氏)」のセミナー内容から、トレンドにまつわる8つのキーワードをご紹介していきます。


【これまでの女性ヘルスケア市場の傾向を踏まえた8つのキーワード】

①ジェンダード・イノベーション(※1)発想のヘルスケアソリューション
性差医学(※2)の歴史は長く、1957年頃から医療の現場ではすでに用いられており、性差分析を用いたイノベーション(ジェンダード・イノベーション)が、今後のカギとなる。例えば、シートベルトで事故時の生存率が上がっても、シートベルトで妊婦の胎児に影響が出る確率は非常に高かった。そこに注目し、シートベルトの胎児への影響をなくす製品開発を行うことで、ユーザーの満足度を上げる等。
海外では「生殖器系ビジネス」から、男女共通疾患における性差(性差医療/性差医学)へのアプローチがトレンドになりつつあり、日本でも性差分析を用いたヘルスケアソリューションがトレンドになることが予想される。

(※1)ジェンダード・イノベーション…科学や技術、政策に性差分析を取り込むことにより、新たな視点や方向性を見いだし、真のイノベーションを創出する(日本学術会議HPより抜粋)
(※2)性差医学…男女で薬の効き方や、発症後の治癒、後遺症などに性差があるという考え方に基づいた医療医学

 

②関心層にも無関心層にも意識させない
これまでのヘルスケア市場は「ユーザーの行動変容ありき」が多数だったが、実際には、健康行動に取り組んでいない女性が6割に上るとみられている。(厚労省:令和元年国民健康・栄養調査より)
主な理由としては、「多忙」「金銭面の問題」などが挙げられている。
そこで、ユーザーに行動変容を促すのではなく、意識せずとも健康維持、病気予防、早期発見できるソリューションにニーズがあると考える。

例えば・・・
●着るだけで疲労回復する衣料品
●TOTOの座るだけで心身をモニタリングするトイレ
●健康経営オフィス、ヘルスツーリズム等

これまでのように、生活者の行動や意識を変えようとするのではなく、
取り巻く環境や暮らし方そのものを、健康行動を起こしやすい状態に変えていくことがポイントになる。

③3次予防領域のヘルスケアサポート
有病率が増加する社会の中で、平均寿命と健康寿命との差を狭めることへのニーズが高まりを見せている。そのような背景から、障害抑制、再発防止、社会復帰を応援する領域である3次予防への参入は、非常に価値がある。病気に罹患しながら働く人や、がんの治療後の社会復帰など、病気と抱えながら生きる人は増加傾向にあり、今後、病気と共生する人のQOLの高い生き方へのサポートに対するニーズが高まると予想される。

【3次予防とは】
0次予防…遺伝子情報や生活環境に基づいた病気の発症予防⇒ベンチャー参入多数
1次予防…健康増進、特殊な防護⇒大企業含め、参入企業が非常に多い領域
2次予防…早期発見・早期治療⇒ベンチャー参入多数
3次予防…障害を抑える、再発防止、社会復帰⇒参入企業の少ない領域

 

④自宅で簡単。時短で本格的。ワンクリックで届くヘルスケア
0次予防、2次予防のカテゴリーとして、コロナ禍を背景に、自宅で簡単に使える検査キットが増加傾向にある。時短で簡単というキーワードにより、使用するハードルを下げている商品やサービスが広がっている。

⑤マジョリティは高齢者。エイジテックの急伸
世界的な高齢化社会に向けてエイジテック(※3)が、海外も含めて黎明期を迎えている。
人口比も消費の中心も中高年以上となっており、今後、エイジテックによって元気な高齢者が増えれば、社会全体がより豊かになると考えられている。だが、まだまだ若者がトレンドの中心となるような製品、取り上げ方となっているのが実情で、今後は、消費においても、エイジテックを普及させることが求められている。

<エイジテック普及におけるポイント>
●高齢者向けとは思わせないことと、直感的に使えるUX設計が重要
●年齢を重ねることで健康や収入に個人差が出てくるため、パーソナライズが重要
●ソーシャルキャピタル(※4)の向上により、高齢者の生きる意欲が湧くソリューション開発がキーとなる。

(※3)エイジテック…高齢化社会の課題を解決するテクノロジー
(※4)ソーシャルキャピタル…人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めることができる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴(アメリカの政治学者 ロバート・パットナムの定義より抜粋)

 

⑥デジタルウェルビーイングという考え方
デジタルウェルビーイングとは、デジタルと良好な関係を築き共存する生き方のこと。
ヘルスケア市場はデジタルだけではなく、エモーショナル(アナログ)の影響が非常に大きい領域であるが、デジタルとアナログを掛け合わせて、「向き合う」「寄り添う」へのソリューションを提供することができれば、社会全体の豊かさにつながる。

⑦加速する「アクティブエイジング」「エイジンググレイスフリー」
アクティブエイジングとは、「生活の質を低下させず、社会参加を続けながら年を重ねていく」こと。
中高年女性の中で「加齢をポジティブに応援してくれるブランド」への好感度や支持率は、今後さらに上がっていくのではないかと考えられる。

<事例を紹介する参考サイト>
事例)朝日新聞×宝島社「エイジンググレイスフリープロジェクト」
事例)森美術館「挑戦し続ける力 世界の女性アーティスト16人」
※VOGUE特集でも掲載あり「女性は老いると見えないものにされてきた」
事例)Sex and the city続編公開時の女性への年齢差別

 

⑧ヘルスケア消費の基準は「心をときめかせるウェルビーイング」
コロナ禍での幸福度の低下幅は、女性の方が大きいとされており、特に中高年女性の中では、「心」の健康に関するウェルビーイングに注目が集まっている。
幸福と思えること、何が幸福にならないかなども、年齢・性別によって多様化している中、心の状態に敏感な女性たちが満たされ、ときめくようなヘルスケア商材が、今後求められている。

<参考記事>
Woman’s Labo中高年女性のウェルビーイング

 

「はるかぜ」が注目する最近のフェムテックセミナーから、
特に勉強になった、トレンドに関する8つのキーワードについて、ご紹介させていただきました。


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