週刊・ハルの知恵

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こんにちは。野呂祐介です。
企業ブランディングを考える時、まず考えなければならないことは「人」についてです。
社員がいて初めて企業が成り立つ…
ところが最近は少子化の影響もあり、必要な人材が集まらない企業が数多くあります。
そこで今回、ハルにて「勝手に新卒採用委員会」を開催。
採用に悩む企業にとって何かきっかけになるようなアイデアを出したい!という思いのもと、ハルメンバーで語り合いました。

01 採用担当者最大の悩み、内定辞退防止のツボ。キーマンは意外な「アノ人」!(前編)

こんにちは。「週刊・ハルの知恵」編集長の山田です。
今回のテーマは「内定辞退防止」。長い採用プロセスを経てせっかく内定を出したのに、辞退者が続いて採用目標数に届かない……なんてことになったら大変ですよね。「超売り手市場」と言われる昨今、学生に選ばれるためには?

内定辞退は、ゆとり世代特有の問題ではない

  • 最近、お客様から「内定辞退が多い。なんとかならないか」という相談を受けることが多いんです。ビジネス雑誌でもよく特集されていたりと、いま「新卒採用」について各企業で課題やニーズが多いのでしょうか?とくに、ゆとり世代は3年と経たずに会社を辞めてしまう傾向があると言われているけれど、内定辞退もこの世代特有の特徴なんでしょうかね・・・。
  • そうした話はよく耳にするけど、内定辞退は必ずしも彼ら自身が原因とは言えないと思いますよ。というのも、終身雇用制度の崩壊に加えて、今は超売り手市場。中小企業で言えば、有効求人倍率は3倍を超えているし、求職者一人当たり、3社が求人を出しているという状況だとか。
  • それって学生は選択肢が増えているってこと? 学生にとってはよい兆候なのでは?
  • そうとも言い切れないよね。学生からすれば複数の内定をもらうことになるので、自分で就職先を選ばなければいけない。どの企業に将来性があるのかも分からないので、少しでも大手に入りたい、と思うのは当然ではないかな。
  • なるほど。
  • 事業内容の魅力だけでは学生を繋ぎとめておくことは難しいし、ゆとり世代だからというわけではなく、この状況が内定辞退を引き起こしていると考えたほうが、次の打ち手を考えやすいですね。
  • そうは言っても、大手志向の学生を自社に入社させることができるんでしょうかね?
  • 内定を出した後のフローを改善するだけでは難しいでしょうね。
  • 採用の段階から策を練るということ?
  • そうですね。今、多くの企業が採用プロセスの中で「学生を自社のファンにする」ための取り組みを行っていますよ。例えば、事例をあげてみましょう。

1.ワクワクするオリジナルの選考方法

  • まず、kmタクシーの「ありのまま採用」を見てみましょう。履歴書不要、SNSマッチングなど、あまり他社では見たことのない取り組みじゃないですか。ここまでの流れを再考
    http://arinomama.km-recruit.jp/
  • こんな方法でちゃんと選考できるのだろうか…
  • 人の絞り込みはその後の面接でもできるから、まずは人を集めることが大事。求人広告を増やして不特定多数にアプローチするのではなく、「自分らしさ」を大切にする今の若い世代にちゃんと響く仕掛けになっているんです。

2.会社説明会は双方向のコミュニケーションで「小さな感動」を。

  • 人が集まったらどうするのですか?
  • 次は会社説明会ですね。
  • ここでもオリジナルの演出が必要?
  • もちろんそこまでできたらいいですが、Webサイト上での企画と違って、リアルな場で派手な演出をしようとするとコストもかかるし、一方的に会社の情報を話して終わり、っていうプログラムを少し見直すだけでも、学生からの印象は変わるでしょう。
    ある有名アパレルメーカーの会社説明会では、学生たちが手を挙げるのを躊躇するような難しい質問を敢えて投げかけることで、彼らとの良い関係性づくりに成功しているようですよ。
  • 難問で良い関係性ができるとは?
  • このメーカーは「チャレンジ」を採用コンセプトにしているんですが、挑戦することについて、採用担当者が細かく説明するだけでは上辺だけ話にとどまってしまう。そこで、難問に対して勇気を持って回答しようと手を挙げた学生には、参加者全員で拍手を送る機会を作ることで、自社にとっての「チャレンジ」の意味を自然に感じられるようにしたようですよ。
  • 会社説明会ってなんだか手を挙げづらい雰囲気がありますよね。答えを思いついていても、私なら手を挙げられないかも。笑
  • そうですよね~。「手を挙げればよかった」と思った学生も多かったはず。そこで、「自分も手を挙げればよかった」と後悔している人に手を挙げさせて、彼らにも拍手を送ってあげるようにしたんです。つまり、そこで手を挙げた学生は、「今回はチャレンジできなかったが、チャレンジを肯定できている」、という想いをもつことができるから。
  • なんか、メンタルのセラピーみたいですね…
  • このコミュニケーションによって、「この会社の社風は、社会に出てチャレンジしたい自分に向いている」と、心を動かされた学生の志望度は上がったはずです。
  • 意外と単純な工夫で学生の心を掴むきっかけが作れるのですね。

3.リクルーター×インターンシップで接触頻度を増やす

  • 中小企業だと取り入れている所ばかりではないと思うけど、「リクルーター制度」と「インターンシップ」にぜひ取り組んでほしいなと考えています。
  • 大企業が学生の「青田買い」のためにやっているイメージですが…
  • 「リクルーター制度」と「インターンシップ」は、早い段階から能力の高い学生を見極めるための施策として、学生をファンにする意味でもとても有効だと思います。
    リクルーターとなった社員は、学生の質問や要望に応えるだけじゃなく、自社のスター社員との面談を設けたり、時には社内を案内するなどして、自社をPRする機会を作ることができます。インターンシップも同様で、「選考の一部」と考えるよりも、「働き方や社風をアピールできる場」と捉えたほうが、学生の志望度を高められるんですよね。
  • 私は学生時代、インターンシップに参加していませんが、選考に関係あるとかないとか、噂が飛び交っていましたよ。
  • インターンシップの参加者と採用担当者で飲みに行っているだけで選考が有利になるなんて許されるのでしょうか!野呂さん!
  • いやいや、飲みに行ってるだけではないですよ。(笑)
    でも、インターンシップ後の懇親会は、業務外での社員のホンネや人となりを見せることができるから、必ず実施したほうがいいかもしれませんね。さらに言えば、そういったオフの場にもリクルーターを同席させ、学生からの信頼を高められればベスト。採用活動にかかわらず、接触回数を増やすことはファン作りの基本ですよ。

4.内定後は「特別なつながり」感を演出

  • 今までに挙げてきたような取り組みを行い、いよいよ内定を出した後は、接触頻度以上に、「特別なつながり」を感じさせることが大事なんです。
  • どんな方法があるんですか?
  • 内定承諾書を直接会社まで持ってきてもらう、っていうのは聞いたことがあります。面と向かって承諾書を渡すのって心理的なプレッシャーがかかりますよね。「これで辞退したらどうなるか分かってるな?」みたいな。
  • そういう無言の圧力をかけている企業もないとはいえないけど、どちらかというと、来社した内定者を部署内で紹介したり、名前の入った名刺を渡したりして、学生のモチベーションを高めるのに有効なんですよ。
  • それもある意味プレッシャーですよね。
  • 確かに。(笑)
  • もっと面白い事例では、採用が決まった直後に自宅に花束を贈るという企業もある位です。
  • さらなるプレッシャー!
  • 「内定後はプレッシャーをかける」、と。
  • それは誤解です。(笑)
    とにかく、「この会社は自分を特別なものとして対応してくれている」と思ってもらうのが大事だということ。ここまでの内容をふまえた採用活動で、内定辞退は減らすことができるはずです。
    しかし、もう一つだけ乗り越えなければならない難関があるんだけど、それは知ってますか?
  • なんでしょう?
  • それは、「親」です。
内定辞退の防止と親にどんな関係が?後編はこのリンクから見られます
  • メンバー:千代木育美
    コミュニケーションプランナー
  • メンバー:野呂祐介
    ブランディングディレクター
  • メンバー:坂野宣子
    デザイナー
  • 編集部:山田卓也
    ライター